韓国の冬は日本よりも寒いとされ、ソウルなど内陸部では12月から2月にかけて氷点下の日が続きます。東京で最高気温が10℃前後まで上がる日でも、ソウルでは昼間の気温が0℃を超えないことがあり、同じ12月でも防寒の考え方は大きく変わります。南部の釜山や済州島は比較的温暖で、同じ韓国でも地域によって冬の装いは違ってきます。空気が乾いて冷たい季節風が吹くため、気温の数字以上に体が冷える日も多く、クリスマスシーズンの12月、寒さのピークとなる1月、春の気配がのぞく2月と、時期と行き先に合わせた服装の準備が欠かせません。今回は、韓国の冬の気温と天候、日本との気候の違い、旅行に合った服装についてご紹介したいと思います。

韓国の冬の気候
韓国の冬は12月から2月までの3か月間で、もっとも気温が下がるのは1月です。朝鮮半島はこの時期、シベリア方面から張り出す大陸性高気圧に覆われ、北西から冷たく乾いた風が吹き込みます。冬のソウルは晴れる日が多く、日本の太平洋側に似た青空が広がりますが、寒気の強さは大きく異なり、朝晩の冷え込みは強く、日中でも気温が氷点下にとどまる日があります。ここに乾燥した空気と風が重なるのが韓国の冬で、漢江沿いやソウル市内の広い道路のように風を遮るものが少ない場所では、気温が0℃前後でも体感温度はそれをさらに下回ります。
ただし、韓国全土が同じように冷え込むわけではありません。ソウルや京畿道、内陸の江原道は冬の冷え込みが強く、南部の釜山や慶尚南道、済州島は穏やかな気候で、日本海に面した江陵などの東海岸と内陸の春川でも気温に差があります。標高の高い江原道の山岳地帯は積雪が多く、スキーやスノーボードが盛んですが、ソウルや釜山などの都市部では、雪が降っても長く積もり続けるとは限りません。冬の天候は数日単位で変わることがあり、寒波が到来すると、平年より大きく気温が下がる日もあります。

12月の気温と服装
12月のソウルは、平均気温が0.2℃、日中の平均最高気温が4.2℃、朝晩の平均最低気温が氷点下3.4℃と、冬が本格的に始まる時期です。この数字は1991年~2020年の30年間の気象平年値で、東京の12月と比べても大きく低くなっています。上旬は日中に5℃を超える日もありますが、中旬から下旬にかけて冷え込みが強まり、朝晩は氷点下の日が増えていきます。年末には最低気温が氷点下10℃前後まで下がる日もあるため、クリスマスや年末年始の旅行では、1月と同じ防寒対策が必要だといえます。釜山の12月は平均気温5.8℃、平均最高気温10.4℃、平均最低気温2.0℃とソウルより温暖で、日中は東京の冬に近い気温になる日もありますが、海沿いは風が強くなります。
服装は、厚手のダウンジャケットかロングコートを基本に、セーターや長袖のインナーを重ねます。景福宮や昌徳宮は建物の内部を見学する時間より外を歩く時間のほうが長いため、マフラーや手袋まで揃えておくと、広い敷地でも体が冷えません。明洞や東大門でのショッピングでは、屋外と店内の温度差を考えて、上着を脱いで調整できる服装が向いています。ショッピングモールや地下鉄、ホテルといった施設は暖房がよく効いているので、室内で厚手のコートを着たまま過ごす人は少なく、屋外ではダウン、室内ではセーターといった脱ぎ着が前提の装いになります。クリスマスのイルミネーションや冬のイベントなど、夜に出かける機会も増える季節です。日中だけでなく、夜の気温まで確認してから服装を決めてください。

1月の気温と服装
1月は韓国でもっとも寒さが強まる月で、ソウルの平均気温は氷点下1.9℃、日中の平均最高気温は2.1℃、朝晩の平均最低気温は氷点下5.5℃です。これは月全体の平均値であり、寒波が来る日には最低気温が氷点下10℃を下回り、昼間でも気温が0℃に届かないことがあります。冬の韓国を訪れるなら、この1月の気温を基準に服装を考えておくのがよいといえるかもしれません。ソウルの1月は平均降水量が16.8mmと年間でもっとも少なく、雪が降る日はあっても、毎日雪景色が見られるわけではありません。晴れた日には青空が広がるため、雪の有無よりも、冷たい風が体感温度を押し下げることに注意したい季節なのです。
1月の服装は、防寒性の高いダウンジャケットに長袖のインナー、セーターを合わせ、首元と手先を冷やさないことが前提になります。韓国では膝丈ほどのロングダウンを着ている人が多く、屋外で長く過ごす日には、丈の長いアウターが体をよく守ってくれます。足元は厚手の靴下にスニーカーかブーツを合わせ、積雪や路面の凍結がある日には滑りにくい靴を選ぶと安心です。ホテルや飲食店の室内は暖かく、床暖房のオンドルを使った施設もあるため、重ね着は脱ぎ着で調整できるものにしておくと快適に過ごせます。冬の韓国は空気が乾くので、リップクリームや保湿クリームも荷物に加えておくと、肌や唇の乾きを防げます。

2月の気温と服装
2月のソウルは、少しずつ冷え込みが和らぐものの、まだ冬の気候が続きます。平均気温は0.7℃、日中の平均最高気温は5.1℃、朝晩の平均最低気温は氷点下3.2℃で、1月より日中の気温が上がり、月の後半には春の訪れを感じる日も出てきます。それでも2月上旬は寒波が続く年があり、朝晩には氷点下の冷え込みが見られるため、最高気温だけを目安に身軽な装いで出かけるのではなく、早朝と夜間の気温まで見て服装を選ぶ必要があります。釜山の2月は平均気温5.4℃、平均最高気温10.2℃、平均最低気温1.5℃で、ソウルと比べると、春が近づいているのを感じる気候だと言えそうです。
2月の服装も基本は12月・1月と同じ冬服で、ソウルではダウンジャケットや厚手のコートが必要ですが、日中の気温が上がる日はセーターとアウターの組み合わせで過ごせる場合もあります。釜山や南部の都市では、日中の観光でコートを脱ぎたくなる日もあるでしょう。2月は旧正月のソルラルと重なる年があり、連休中は帰省や国内旅行で交通機関の利用者が増えます。ソルラルの日付は毎年変わるため、この時期に旅行を計画するなら、旅行先の気温に加えて、鉄道や国内線の運行状況、観光施設の営業日も事前に確認しておきたいところです。2月の下旬になっても江原道の山岳地帯には雪が残り、スキー場ではウィンタースポーツを楽しめます。

地域による冬の違い
韓国の冬の気温は、行き先によって大きく異なります。たとえば1月の平均気温は、ソウルが氷点下1.9℃、釜山が3.6℃で、およそ5.5℃の差があり、済州島の済州市は6.1℃と、ソウルとは約8℃も違います。南東部の慶州はソウルほど冷え込まないものの、内陸にあるため朝晩は気温が下がり、仏国寺や石窟庵、古墳公園のように屋外で過ごす時間が長い場所では、防寒着が欠かせません。江原道は同じ道内でも地域による差が大きく、日本海側の江陵は1月の平均気温が約1℃、内陸の春川は氷点下4℃前後で、標高の高い大関嶺になると1月の平均気温が氷点下6.9℃、平均最低気温は氷点下12.2℃に達します。ソウルの観光と江原道の山岳観光とでは、必要な防寒着も変わるのです。
行き先が決まったら、都市ごとに服装を調整しましょう。ソウルを観光するなら、12月から2月まで通してダウンジャケットかコートが必要で、1月は手袋とマフラーも持参してください。釜山や済州島など南部は日中の気温が比較的高いため、上着の下に着る服で調整すると過ごせます。冬の韓国は乾燥した晴天の日が多い一方、江原道の山岳地帯や東海岸ではまとまった雪が降ることもあり、雪景色を目的にするなら、ソウル市内にとどまらず、江原道のスキーリゾートや山岳地域も候補になると思います。12月~2月の平均気温はあくまで平年値で、旅行中の気温や降雪は年によって異なります。出発前に現地の天気予報で訪れる地域の気温を確認し、気候に合わせた服装を準備して、冬の韓国旅行を楽しんでください。


